「受け入れがたいが、こういう時こそ前を向かなければならない。」とヒロシが言った。
ハゲの続きです。記事タイトルは、贔屓にしているサッカーチームに二度も地獄を見せたロクでもない元監督の試合後のふざけたコメントです。
屈辱的だが、ハゲと認めざる得ない今の自分にピッタリな言葉だ。
会社で仕事するふりをしながら、善後策を考えてみた。 机の上に落ちている何本かの細く短い髪の毛を見つめながら。
入社当時から薄毛を気にして、何十年も手入れを怠らずにきて、その結果として持ちこたえている同期に教えを請う。駄目だ。頭さげたくないし、酒の席のネタにされるのが関の山だ。トイレで会ったが当たり障りのない話しかできなかった。
テレビ通販でやっている黒い炭みたいな粉はどうだろうか。影で活性炭とか呼ばれそうだ。
カツラか。下りエスカレーターで、前にいた初老の女性の髪形が不自然だと気付いた途端、小声で「あの人、カツラじゃない」と教えてくれる容赦のない我が子にバレたら生きてはいけない。
やっぱ、リアップしかない?
いっそのこと、自分の視界には入らないだし、悩むぐらいなら無視しても良い気がしてきた。何の解決にもなっていないけど。
おしまい