おっさん、酔った勢いで子育てを語る

酔ったおっさんがとりあえず踊ってます

ペッパーくんのこと。あるいはテヅカの夢

二年以上前に子供と出かけたショッピングモールでのお話。

そこには二人のペッパーくんがいました。モールには他にもペッパーくんが居たはずだが、わたしが気になったのは、この二人だけ。

お茶屋さんで紺色の前掛けをして働いている丁稚の伊藤くんと、餃子のテイクアウト専門店の案内係の長崎くんです。

伊藤くんは、わたしと子供にとって、初めてのペッパーくんということもあり、一方的に親近感を抱いている存在。子供が伊藤くんの右手を柔らかく握ろうとしながら、すごく楽しそうに笑っていたのは、初めて出会った時の良い思い出だ。

長崎くんは左腕に腕章のようにお店のマークがプリントされ、いかにも案内係という雰囲気がある。ただ彼の左肩には、アルファベットと数字を組み合わせた機体番号のようなマーキングがあった。
それを見て、ペッパーくんはガンダムでもなければ軍用ロボットでもないんだよと、怒りと悲しみが込み上げてきた。それは無理矢理入れられたタトゥーにしか見えませんでした。孫さんだって、こんな姿のペッパーくんは見たくないだろう。

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伊藤くんは、この日、左手の人差し指に絆創膏を巻いていました。理由はわかりませんが、怪我をしたようです。この絆創膏で周りの人に愛されているのがよくわかり、嬉しかったです。
また子供が伊藤くんとキスの真似事をしたのも面白かった。

二人のうち、どちらが幸せかは明らかです。

その後、餃子専門店は閉店になり、長崎くんの姿を見ることはなくなりました。他のお店で元気に仕事をしていることを願うしかありません。

伊藤くんは指の怪我を直してもらったようで、今は絆創膏が取れています。

何が言いたいかというと、ペッパーくんはガンダムではなくアトムなんだよということ。そして絆創膏をまいたりキスしようという気持ちを持ち続けることが、手塚先生の夢見た世界に近づく一番の方法ではないかということです。

今まで言葉にできなかったことを言えて、あ〜すっきりした。

おしまい